FC2ブログ

荒川自然公園 公式ブログ:公園管理通信

荒川自然公園管理事務所スタッフが公園の日々の状況をお伝えします。

Entries

『おもしろ植物情報』第三回』

『おもしろ植物情報』第三回

ツキミソウ
ツキミソウ
 さて、今回は名前がややこしくなってしまった植物のお話です。
 「月見草」と言えば、まず思い浮かぶのが、太宰治の「富嶽百景」の中の有名な一節、「富士には月見草がよく似合ふ」です。しかし文中、「黄金色をした」と形容されているので、こちらは待宵草([オオ]マツヨイグサ)ではないか、が定説になっています。当時、月見草はほとんど消滅し、見かけることも少なくなっていました。代わりに待宵草が「月見草」と呼ばれたりしていました。
話は前後しますが、ツキミソウ(ツキミグサ)とその仲間のマツヨイグサ(マツヨヒグサ)は江戸時代末期に渡来しました(カッコ内は飯沼慾斎の草本図説による)。江戸の人々はいたくお気に召し、かなり普及したようですが、ツキミソウの方は日本の環境に合わなかったのか、野生化することはなく、ほぼ姿を消してしまいます。逆にマツヨイグサは強く、自生し、一部で野生化しました。この「待宵草」は大正時代、竹久夢二の詩に詠われて名を成しました。皆さんご存知の「♫宵待草(ヨイマチグサ)」ですが、お気付きの通り、字の列びが違います。これは作者の勘違いとする意見もありますが、音の響きを大切にした詩人の感性から、との説が有力です。
このように元の名前以外の呼び方が普及した二種ですが、いづれにしても一晩だけ開く可憐な花として人気があり、その後も、仲間の「オオマツヨイグサ」「メマツヨイグサ」「ユウゲショウ」などが導入され、いずれも「月見草」と呼ばれてもいます。それらの一つで昼間にピンクの花を咲かせる「ヒルザキツキミソウ」(ん?昼に咲くのにツキミソウってなんやねん)も人気になって広く普及し、逸出したものがあちこちで野生化しています。―――写真はホンモノの「ツキミソウ」


 自然公園内での『おもしろ植物情報』の掲示位置はこちら

by <ハクチョウ1号>
スポンサーサイト



*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

Menu

最新記事

プロフィール

荒川自然公園管理事務所

Author:荒川自然公園管理事務所
【住所】
東京都荒川区8-25-3
荒川自然公園管理事務所
公式サイト


カウンター

検索フォーム